神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件で、植松聖容疑者がナチス・ドイツの思想に影響を受けていたことが明らかになった。植松容疑者が措置入院中だった2月20日、病院の担当者に「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」と話していたと、NHKニュースなどが報じた。
横浜地検から捜査本部のある津久井署に戻った植松聖容疑者(左)=7月27日撮影
植松容疑者は2月18日、勤務中に「津久井やまゆり園」の職員に対して「重度の障害者は生きていてもしかたない。安楽死させたほうがいい」などと話した。
Advertisement
毎日新聞によると、園長らが19日に面接した際に、植松容疑者は「ずっと車いすに縛られて暮らすことが幸せなのか。周りを不幸にする。最近急にそう思うようになった」と説明した。園長が「ナチス・ドイツの考え方と同じだ」と指摘しても、「そう取られても構わない」と話し、「自分は正しい」と譲らなかったという。
施設では植松容疑者が障害者を殺す意向があると判断し、警察に通報。県警津久井署からの連絡で19日、相模原市が緊急措置入院させたが、3月に退院していた。
■ナチスドイツの「T4計画」とは
ナチスドイツを率いたアドルフ・ヒトラー(写真)は、「優生思想」に基づいて障害がある人を組織的に虐殺したことで知られている。
Advertisement
西日本新聞によると、ナチスが立案したのは「T4計画」と呼ばれる非人道的な計画で、ゲルマン民族の血を「純粋に保つ」ため、精神障害者らを安楽死させようというものだった。
第2次大戦が始まると、ナチスは各地の精神療養施設などから「生きるに値しない」と判断された障害者を集め、ガス室で殺害した。7万人以上の命が奪われたとされている。
【関連記事】
Advertisement
関連記事